香ばしい皮、そばの実、きのこの詰め物
メジムリェ風ローストグース、そばの実ときのこを詰めた皮を香ばしく焼く北クロアチアの主菜
一晩乾燥塩漬けしたガチョウに、そばの実、きのこ、玉ねぎの詰め物を入れてじっくり焼くメジムリェ風の主菜。皮の脂を段階的に落とし、腿肉と詰め物の中心を74℃まで上げてから休ませる。

- 分量
- 8人分
- 準備
- 45分
- 加熱
- 3時間15分
- 塩漬け・休ませ
- 12時間30分
- 合計
- 16時間30分
- 1人分
- 約860 kcal
01 · 料理の背景と技術
皮を乾かし、詰め物まで安全に火を通す設計
ガチョウの豊かな脂を生かしながら皮を香ばしくするには、前夜の乾燥、低い位置から始める焼成、途中の脂抜きが必要になる。
メジムリェ地方のガチョウ料理は、寒い季節の祝祭や家族の食卓に向く、量感のあるローストである。そばの実は肉汁と脂を吸いながら粒の形を保ち、パン中心の詰め物よりも香ばしく、ガチョウの濃い味に対して土のような穏やかな風味を添える。
皮を香ばしくするため、焼く前日に塩をすり込み、冷蔵庫で覆わずに乾燥させる。表面の水分が減ると脂が抜けやすくなり、皮が蒸されたように柔らかくなるのを防げる。腹腔の奥まで塩を入れ過ぎると詰め物が塩辛くなるため、塩は皮と肉側を中心に量る。
詰め物は完全に冷ましてから入れる。温かいまま詰めると、調理開始までに微生物が増えやすい温度帯を長く通り、皮の乾燥も損なわれる。そばの実は八割程度まで下茹でし、きのこ、玉ねぎ、少量のベーコンと合わせる。腹腔へ詰める際は膨張分を残し、強く押し込まない。
焼成は高温で始めて皮に色を付け、その後温度を下げる。途中でたまった脂を取り除くと、底面が揚げ焼き状態になるのを防げる。最終判断は時間ではなく温度計で行い、腿の最も厚い部分と詰め物の中心がともに74℃以上に達したら取り出す。30分休ませる間に肉汁が落ち着き、切り分け時の流出が減る。
皮を一晩乾かす
塩を量ってすり込み、覆わず冷蔵すると表面水分が減り、脂が抜けやすい。
詰め物は冷ましてから
温かい詰め物を入れず、中心まで冷えたものをゆるく詰める。
時間より中心温度
腿肉と詰め物の両方が74℃以上になったことを温度計で確認する。
02 · 計量と構成
8人分分の材料
約4.5 kgのガチョウ一羽と、そばの実・きのこ・りんごの詰め物で八人分。塩は鳥の重量に合わせて表面と腹腔へ分ける。
ガチョウ
- 1羽(約4.5 kg) 丸鶏のガチョウ内臓を除き、表面を乾かす。
- 40 g 粗塩
- 4 g 黒こしょう
- 3 g キャラウェイシード軽く砕く。
- 2個 酸味のあるりんご四つ割り。
そばの実の詰め物
- 350 g そばの実
- 700 ml 鶏のブイヨン
- 200 g 玉ねぎみじん切り。
- 250 g マッシュルーム粗みじん。
- 120 g スモークベーコン1 cm角。
- 30 g 無塩バター
- 3 g 乾燥マジョラム
- 15 g パセリ刻む。
- 6 g 塩
- 2 g 黒こしょう
03 · 9の実行手順
メジムリェ風ローストグースの作り方
前日に塩をして皮を乾かし、詰め物は冷ましてから腹腔へ入れる。焼成中は脂を取り、最後だけ温度を上げて皮を整える。
乾燥塩漬け
12時間ガチョウを整える
余分な首脂と腹腔の脂塊を切り取り、皮を傷つけないよう毛や残片を除く。表面と腹腔を紙で完全に乾かす。
塩を量って乾かす
粗塩、黒こしょう、キャラウェイを混ぜ、皮と肉側に均一にすり込む。網にのせ、冷蔵庫で覆わず12時間置く。
詰め物を作る
約45分そばの実を八割まで煮る
そばの実を洗い、ブイヨンで12〜15分煮る。中心に少し硬さが残る段階でざるに上げ、広げて冷ます。
香味具材を炒める
フライパンでベーコンを4分炒め、玉ねぎ、きのこ、バターを加えて10分加熱する。水分がほぼ消えたらマジョラム、パセリ、塩、こしょうを混ぜる。
完全に冷まして詰める
炒めた具材とそばの実を混ぜ、室温以下まで冷ます。ガチョウの腹腔に七分目までゆるく詰め、りんごを加え、脚をたこ糸で結ぶ。
詰め物を押し固めず、内部に膨張する余地を残す。
焼いて休ませる
約3時間45分高温で皮に色を付ける
オーブンを220℃に予熱する。胸を上にして網付きのローストパンに置き、20分焼く。
温度を下げて脂を抜く
温度を165℃に下げ、2時間20分〜2時間40分焼く。45分ごとにたまった脂を柄杓で取り除き、焦げる部分だけをアルミホイルで覆う。
安全温度を確認する
腿の最も厚い部分と詰め物の中心に温度計を刺し、どちらも74℃以上になるまで焼く。必要なら15分単位で延長する。
骨に触れず測り、二か所とも74℃以上。30分休ませて切る
焼き上がりを大皿へ移し、ホイルをゆるくかけて30分休ませる。たこ糸を外し、詰め物を別皿に取り出してから肉を切り分ける。
04 · 温度、時間、状態
仕上がりを判断する管理ポイント
詰め物の中心74℃、肉の休ませ30分、皮の乾燥状態が安全性と食感の基準。焼き時間だけでは判断しない。
乾燥塩漬け
12時間覆わず冷蔵し、皮表面を乾かす。
焼成温度
220℃→165℃最初に色を付け、その後ゆっくり中心温度を上げる。
安全温度
74℃以上腿肉と詰め物の中心を別々に測る。
休ませ
30分肉汁を落ち着かせ、切り分け時の流出を減らす。
| 問題 | 考えられる原因 | 修正方法 |
|---|---|---|
| 皮が柔らかい | 表面が湿っていた、または脂がパンにたまり過ぎた。 | 前日に覆わず乾燥し、焼成中の脂を定期的に除く。 |
| 胸肉が先に濃くなる | 上火が強い。 | 胸だけをホイルで覆い、腿と詰め物が74℃になるまで続ける。 |
| 詰め物がべたつく | そばの実を完全に煮た、またはきのこの水分が残った。 | そばの実は八割で止め、炒め具材の水分を飛ばす。 |
05 · 調理後の扱い
供し方、保存、前日準備
切り分ける前に十分休ませ、胸肉と脚を別の向きに切る。回収したガチョウ脂は濾して冷蔵し、別の料理へ少量使える。
切り分け
脚、胸、翼の順に外し、胸肉は皮を付けたまま繊維を断つ方向に厚く切る。
保存
肉と詰め物を2時間以内に別容器へ移し、冷蔵3日。再加熱は中心74℃まで。
残った脂
こして冷蔵し、加熱料理に少量ずつ使う。肉汁や水分が混じった脂は3日以内に使い切る。
06 · 実用的な補足
メジムリェ風ローストグースについてよくある質問
冷凍ガチョウでも作れるか
冷蔵庫で完全に解凍し、腹腔に氷が残っていないことを確認すれば作れる。解凍には2〜3日かかる場合がある。
詰め物を別焼きにできるか
できる。耐熱皿に入れ、ガチョウの脂を少量かけ、165℃で30〜35分焼く。別焼きなら温度管理が簡単になる。
07 · 1食分の概算
栄養情報
八人分として、可食部の肉、皮、詰め物、吸収した脂を基にした概算。骨と廃棄脂は除外している。
- カロリー
- 約860 kcal
- 炭水化物
- 約28 g
- たんぱく質
- 約57 g
- 脂質
- 約58 g
- 食物繊維
- 約4 g
- ナトリウム
- 約980 mg
1食分:1人分(肉と詰め物 約430 g)。主なアレルゲン:乳を含む。ブイヨンとベーコンにセロリ、乳、小麦、大豆などが含まれる場合は表示を確認する。 数値は標準成分値に基づく概算で、検査値ではない。