卵生地の歯切れと森の香りを一皿にまとめる
イストリア風トリュフパスタ、手打ちフージとバターソースに黒トリュフを重ねる
ひし形の卵生地を指で巻くイストリアのフージを手打ちし、バターと生クリーム、少量の熟成チーズで乳化させる。黒トリュフは火を入れすぎず、仕上げに薄く削って香りを残す。

- 分量
- 4人分
- 下ごしらえ
- 55分
- 加熱
- 20分
- 生地を休ませる
- 30分
- 合計
- 1時間45分
- 1人分
- 約 685 kcal
01 · フージの形とトリュフの扱い
ソースを重くせず、香りを麺へまとわせる
卵生地の厚み、ゆで上がりの水分、トリュフを加える温度をそろえると、クリームが主役にならず香りが立つ。
イストリアの手打ちパスタには複数の形があり、フージは薄く伸ばした生地をひし形に切り、対角の角を棒や指の周りで重ねて作る。短い筒状の中央に空洞が残るため、軽いソースでも内側と外側の両方へ絡む。成形は見た目のためだけではなく、少量のソースで香りを均一に運ぶ構造を作る工程である。生地を厚くしすぎると中心が硬く、薄すぎると巻いた部分がほどけるため、約1 mmを目安にする。
小麦粉と卵だけでも生地は作れるが、卵の大きさと粉の吸水で硬さが変わる。最初から水を多く入れず、こねても粉がまとまらない場合だけ5 mlずつ足す。表面がなめらかになるまでこね、30分休ませると水分が均一に広がり、薄く伸ばしても縁が裂けにくい。休ませた後に打ち粉を多く使うとゆで湯が濁り、ソースが粉っぽくなるため、必要最小限にする。
トリュフは加熱で香りが変わりやすい。黒トリュフの一部は細かく刻んで低温のバターへ移し、残りは火を止めた後に薄く削る。生クリームとチーズは香りを抱える脂肪分を補うが、量が多いと乳製品の甘さが前に出る。この配合ではゆで汁を加えて濃度を調整し、皿に盛った時にソースが底へたまらず、麺の表面に薄く光る状態を狙う。
フージは乾麺より短時間で火が通る。強い沸騰で巻き目を壊さず、たっぷりの湯で2〜4分ゆでる。一本を切って中心の白い線が消え、歯で軽い弾力を感じる時点でソースへ移す。仕上げは火を止めてからチーズとトリュフを加え、鍋を揺すって乳化させる。香りの強さはトリュフの種類と熟度で変わるため、香料入りのトリュフオイルに頼らず、実物の量を少しずつ調整する。
生地は約1 mm
巻き目が保たれ、短時間で中心まで火が入る厚さに伸ばす。
ソースは煮詰めすぎない
ゆで汁で乳化し、皿の底へ脂が分離しない濃度に保つ。
トリュフは二段階で加える
刻んだ分でソースへ香りを移し、薄切りで仕上げの香りを残す。
02 · 手打ち生地とトリュフソース
フージ4人分の材料
30 cm幅程度のパスタマシン、または長い麺棒、小さな木串、細目のおろし器かトリュフスライサーを用意する。
手打ちフージ
- 300 g 薄力粉と強力粉を半量ずつ合わせた粉
- 3個 卵(Mサイズ)
- 0〜20 ml 水生地がまとまらない場合だけ少量ずつ加える。
- 3 g 塩
- 適量 打ち粉用の薄力粉
黒トリュフのソース
- 30 g 新鮮な黒トリュフ表面を柔らかいブラシで清掃する。
- 80 g 無塩バター
- 150 ml 生クリーム
- 15 ml エクストラバージンオリーブオイル
- 50 g 熟成ハードチーズ、細かくすりおろす
- 2 g 黒こしょう
- 6 g ゆで湯用の塩ソースの塩分を見て量を調整する。
03 · 生地、成形、乳化の三段階
フージを作り、香りを逃さず仕上げる
生地の休ませ時間を取り、ソースはパスタがゆで上がる直前から作る。
卵生地をこねて休ませる
約45分粉と卵をまとめる
粉を台へ山にして中央をくぼませ、卵と3 gの塩を入れる。フォークで卵へ少しずつ粉を取り込み、まとまり始めたら手で集める。水は必要な場合だけ5 mlずつ加える。
硬めだが乾いた粉が残らず、一塊になる。表面がなめらかになるまでこねる
手の付け根で押して折る動作を8〜10分続ける。生地を丸め、乾燥しないよう包んで室温で30分休ませる。
指で押すとゆっくり戻り、切り口に大きな粉の筋がない。
薄く伸ばしてフージに成形する
約30分生地を約1 mmに伸ばす
生地を4分割し、使わない分は包んでおく。パスタマシンか麺棒で約1 mmまで伸ばし、表面がべたつく時だけ薄く打ち粉をする。
ひし形を巻いて留める
生地を4 cm角に切り、各片をひし形に置く。細い木串の周りで左右の角を重ね、重なり部分を指で軽く押して留める。布を敷いた台で10分乾かす。
持ち上げても巻き目がほどけず、中央に小さな空洞が残る。
ソースを乳化してトリュフを仕上げる
約20分トリュフを切り分ける
トリュフの3分の1を細かく刻み、残りは薄切り用に取っておく。大鍋に湯を沸かし、6 gの塩を加える。
低温で香りをバターへ移す
広いフライパンにバターとオリーブオイルを入れ、弱火で溶かす。刻んだトリュフを加えて30秒混ぜ、生クリームを加え、沸騰させず2分温める。
細かな泡が縁に出るが、激しく煮立っていない。フージを短時間ゆでる
フージを湯へ入れ、穏やかな沸騰で2〜4分ゆでる。ゆで汁を150 ml取ってから、穴あき杓子でパスタをソースへ移す。
切った中心に生の白い線がなく、巻き目に軽い弾力がある。火を止めて乳化させる
中弱火で1分混ぜ、ゆで汁を30 mlずつ加えてソースをのばす。火を止め、熟成チーズと黒こしょうを加えて鍋を揺する。器へ盛り、残りのトリュフを薄く削る。
ソースが麺へ薄くまとい、皿の底に油だけが分離しない。
04 · 厚み、温度、乳化の基準
トリュフの香りを守る三つの管理点
高温と過度な煮詰めを避け、麺の水分を使ってソースをつなぐ。
生地の厚さ
約1 mm厚すぎると巻き目の中心が硬く、薄すぎるとゆで中にほどける。
ソースの温度
沸騰させないトリュフを加えた後は小さな泡が出る程度に保つ。
ゆで時間
2〜4分成形直後のフージは乾麺より早く火が通る。
| 問題 | 主な原因 | 修正方法 |
|---|---|---|
| 巻き目がほどける | 生地が乾きすぎたか、重なり部分を押していない。 | 角へごく少量の水を付けて留め、成形中の生地は覆う。 |
| ソースが油っぽい | 高温で煮詰めたか、ゆで汁が不足している。 | 火を止め、熱いゆで汁を少量ずつ加えて鍋を揺する。 |
| トリュフの香りが弱い | すべてを長く加熱したか、乳製品が多すぎる。 | 次回は仕上げ用を残し、火を止めてから薄く削る。 |
05 · 盛り付けと材料の置き換え
香りを保ったまま食卓へ出す
トリュフパスタは作り置きより、乳化直後の数分が最も香りと食感のバランスがよい。
盛り付け
温めた浅い器へすぐに盛り、トリュフの薄切りを全体へ散らす。追加のチーズは香りを覆うため別添えにする。
現実的な代替
フージを作れない場合は新鮮なタリアテッレを同重量使える。トリュフペーストを使う場合は原材料と塩分を確認し、生トリュフと同量には置き換えない。
保存
完成したパスタは保存に向かない。生のフージは打ち粉をして冷蔵で24時間、または一段に並べて凍らせてから袋へ移し、約1か月保存できる。
06 · 生地とトリュフの実用的な疑問
イストリア風トリュフパスタのQ&A
乾燥パスタでも作れるか
作れる。幅広の乾燥パスタ320 gを使い、袋の表示より1分短くゆでてソースで仕上げる。ゆで汁を多めに取っておく。
白トリュフを使う場合の違いは
白トリュフはソースで加熱せず、火を止めて盛り付けた直後に薄く削る。バターとチーズの量も少し控えると香りが明瞭になる。
07 · 1皿分の概算
栄養情報
粉300 g、卵3個、バター80 g、生クリーム150 ml、チーズ50 gを4等分して算出した。
- カロリー
- 約 685 kcal
- 炭水化物
- 約 59 g
- たんぱく質
- 約 18 g
- 脂質
- 約 41 g
- 食物繊維
- 約 3 g
- ナトリウム
- 約 540 mg
1食分:完成量の4分の1。主なアレルゲン:小麦、卵、乳。標準的な食品成分値による概算で、銘柄、脂身、吸油量、切り分け方によって変動する。