アルジェリア料理 · 揚げ菓子 · レシピ
マクルード デーツ餡を包むセモリナ菓子 蜂蜜と花水の艶
油脂を含ませたセモリナ生地でデーツ餡を包み、模様を付けた菱形に切る。低過ぎず高過ぎない油温で揚げ、温かな蜂蜜とオレンジ花水へくぐらせる。
コース: 揚げ菓子/料理: アルジェリア/難易度: 中級

横長写真では菱形の山、デーツ餡の断面、蜂蜜の艶、茶器が広い卓上に配置されている。
マクルード レシピで割れない層を作る
マクルード レシピは、マグレブ全域に広がるデーツ入りセモリナ菓子のうち、アルジェリアの食卓に合う蜂蜜仕上げの揚げ型を扱う。呼び名はマクルート、マクロードなど複数あり、焼く型、アーモンド餡、いちじく餡も存在する。ここでは写真に見える濃いデーツ餡、菱形、表面の押し模様、蜂蜜の艶を基準にする。
生地をこねず、餡と同じ硬さに整えると、揚げても継ぎ目が開かない。
生地は小麦粉のクッキーのようにこねてはいけない。中挽きと細挽きのセモリナへ溶かしバターを含ませ、粒の周囲に油脂の膜を作る。これが揚げ油の吸い過ぎと、成形中の割れを抑える。花水と水は一度に加えず、休ませた後の吸水を見て必要量だけ使う。
1時間の休ませ時間でセモリナが水分を取り込み、生地がしなやかになる。休ませる前は崩れやすくても、後には指で押した溝が割れずに残る。ここで再び強くこねるとグルテンが出て硬くなるため、手のひらで押し寄せてまとめるだけに留める。
デーツ餡は柔らか過ぎると揚げる途中で流れ、硬過ぎると生地を内側から裂く。バター、シナモン、花水を加えて練り、同じ太さの棒へ整える。生地を長い溝状にし、餡を中央へ置いて閉じ、継ぎ目を下にする。模様は見た目だけでなく、切り位置をそろえる目印になる。
油温は165〜170℃が基準。低いと油を吸い、高いと外側だけが濃くなって餡の周りの生地が生に近く残る。数個ずつ入れ、油温を戻しながら揚げる。きつね色より少し深い琥珀色になり、泡が細かく落ち着いたら引き上げる。
蜂蜜は沸騰させず、花水を加えて温めるだけにする。揚げたてを30〜60秒浸し、網で余分を切る。長く浸すと表面の模様が鈍る。完全に冷めると外側が締まり、デーツ餡は柔らかく残る。茶と一緒に小さく供すると、甘さとセモリナの香ばしさが釣り合う。
成形を守る休ませ時間と油温
レシピの要点。 中挽きと細挽きのセモリナへ溶かしバターを行き渡らせ、オレンジ花水と水で押しまとめて1時間休ませる。デーツペーストはバター、シナモン、花水で柔らかくし、棒状にする。生地で包んで模様を付け、菱形に切る。165〜170℃の油で琥珀色まで揚げ、花水を加えた温かな蜂蜜へ短時間浸して網で冷ます。
材料
セモリナ生地
- 中挽きセモリナ 500 g — 主な粒感を作る
- 細挽きセモリナ 120 g — まとまりを補助
- 溶かしバターまたはギー 180 g — 人肌まで冷ます
- グラニュー糖 8 g — 生地用
- 塩 3 g — 細粒
- オレンジ花水 100 ml — 生地用
- 水 60〜80 ml — 吸水を見て調整
デーツ餡
- デーツペースト 350 g — 種なしデーツを練ってもよい
- 無塩バター 20 g — 柔らかくする
- シナモン 3 g — 餡用
- オレンジ花水 15 ml — 餡用
揚げと仕上げ
- 植物油 800 ml — 揚げ用。栄養計算は吸収量で算出
- 蜂蜜 300 g — 温めて使用
- オレンジ花水 30 ml — 蜂蜜へ加える
作り方
餡と生地
デーツ餡を作る
デーツペースト、バター20 g、シナモン、花水15 mlを手で練り、直径1.5 cmの棒を数本作る。乾かないよう覆う。
セモリナへ油脂を含ませる
中挽きと細挽きセモリナ、砂糖、塩を混ぜ、溶かしバターを加える。すくって落とす動作で全粒が均一に油脂を帯びるまで合わせる。
水分を加えて休ませる
花水100 mlと水60 mlを加え、押しまとめる。乾く場合だけ残りの水を足す。練らずに覆い、室温で1時間休ませる。
包んで切る
餡を包む
生地を直径4 cmほどの長い棒にし、中央へ溝を作る。デーツ棒を置いて生地を寄せ、継ぎ目を完全に閉じる。
模様を付ける
継ぎ目を下にし、マクルード用の型またはフォークで表面へ模様を押す。幅4 cmの菱形に斜め切りする。
短く乾かす
切った菓子を15分置き、表面を少し乾かす。ひび割れがあれば指で閉じる。
揚げて蜂蜜を含ませる
蜂蜜を温める
蜂蜜を弱火で流れる程度に温め、火を止めて花水30 mlを混ぜる。沸騰させない。
適温で揚げる
油を165〜170℃に熱し、菓子を数個ずつ4〜5分揚げる。全体が深い琥珀色になり、泡が細かくなったら引き上げる。
蜂蜜へ浸す
油を軽く切った熱い菓子を温かな蜂蜜へ30〜60秒浸し、網へ移す。完全に冷めて表面が落ち着いてから保存する。
盛り付け、保存、調整
茶菓子としての供し方
一人1〜2個を小皿へ置き、無糖のミントティーまたはコーヒーと供する。蜂蜜が皿へ溜まるほど追加しない。切り口を一個だけ見せると、デーツ餡の厚みを確認しやすい。
保存と扱い
完全に冷めてから密閉し、涼しい室温で5日、冷蔵で7日まで。冷蔵では生地が締まるため、食べる前に室温へ戻す。成形後の未加熱品は1か月冷凍でき、解凍せず低めの油温から揚げる。
四つの調整案
①175℃のオーブンで25〜30分焼き、蜂蜜へ浸す焼成型。②デーツの3分の1を乾燥いちじくへ替える。③餡へ白ごま20 gを加える。④シナモンを減らし、レモン皮を少量加えて香りを軽くする。
試作で分かった三点
生地は休ませる前より後の硬さで判断する。餡を生地より柔らかくし過ぎない。油へ入れ過ぎると温度が下がり、模様がぼやける。
必要な器具
深い厚手鍋、揚げ物温度計、網、穴あきスプーン、デジタルスケール、模様型またはフォークを使う。温度計は油の吸収量と色を安定させる。
1食分のおおよその栄養価
- カロリー
- 約 205 kcal
- 炭水化物
- 約 30 g
- たんぱく質
- 約 2 g
- 脂質
- 約 9 g
- 食物繊維
- 約 2 g
- ナトリウム
- 約 35 mg
1食の基準: 1個。主なアレルゲン: 小麦、乳。揚げ油の吸収を1個あたり約3 gとして計算した概算。蜂蜜の残り方、デーツの糖度、油温で実際の値は変動する。
菱形の輪郭を残しながら、蜂蜜は表面だけに静かに入れる。
マクルードは、セモリナの扱い、餡の硬さ、油温が一つでも崩れると割れや油っぽさが出る。粒へ油脂を含ませて休ませ、餡と硬さをそろえ、短く蜂蜜へ浸せば、模様と切り口の両方が明瞭に残る。