アルジェリア料理 · パン · レシピ
ケスラ 発酵させないセモリナ平パン オリーブ油とニゲラの香り
セモリナへオリーブ油を均一に含ませ、水でまとめて休ませる。発酵させず、厚手のフライパンでゆっくり焼き、表面の香ばしい斑点とほろりとした内側を作る。
コース: パン/料理: アルジェリア/難易度: 初級

16:9の構図ではケスラを右寄せに置き、切り口、焼き斑、オリーブ油とバターの小皿が見える。
ケスラ レシピでほろりとした層を作る
ケスラ レシピは、アルジェリア各地で作られるセモリナの平パンを、発酵させない型に絞ったものだ。地域によって名称や厚さ、油脂、種子の使い方が異なるが、ここでは写真に合う厚めの円形とニゲラの粒を採用する。食卓ではナイフで整然と切るより、手で割って煮込みやスープを受けるパンとして扱われることが多い。
ケスラはこねるパンではなく、粒を壊さずまとめて焼くパンだ。
生地はパン用小麦粉のように強くこねない。セモリナの粒へ油を均一に行き渡らせ、必要量の水で押しまとめる。強くこねると表面が滑らかになり過ぎ、焼いた時に内部が弾力の強い塊になる。指先で油脂をなじませる際も、粉をつぶすようにこすらず、持ち上げて落とす動作を繰り返す。
水量は粒度と乾燥状態で変わる。最初から全量を入れず、8割を加えて5分待ち、残りを調整する。正しい生地はひび割れずに円形へ押し広げられ、持ち上げると少し重く感じる。表面がべたつくならセモリナを少量振るが、追加し過ぎると縁が割れる。
30分の休ませ時間で粒が水分を吸い、成形時の細かな亀裂が減る。休ませた後は再び練らず、数回折って厚さ2 cmほどの円へ整える。中央まで均一に火を通すため、表面へ浅い穴をあける。深く刺すと割れ目になり、返す時に崩れる。
フライパンは厚手の鋳鉄または重い鉄板が向く。弱めの中火で十分に予熱し、生地を置いた後は温度を少し下げる。強火では表面だけが黒くなり、内部が生のまま残る。片面に茶色い斑点が広がり、縁が乾いて持ち上がったら返す。二度目の面は少し短くてよい。
焼き上がりを布で軽く包むと蒸気が内部へ戻り、切り口が乾かない。完全に密閉すると表面が湿るため、5分ほどで布を開く。温かいケスラはオリーブ油、バター、蜂蜜、チーズにも合うが、豆や肉の煮込みをすくう用途では、何も塗らずに出す方が生地の香ばしさが残る。
セモリナを割れずに焼く四段階
レシピの要点。 中挽きセモリナに塩、ニゲラ、オリーブ油を加え、粒をつぶさず均一に合わせる。ぬるま湯を少しずつ入れて硬めの生地にまとめ、30分休ませて吸水させる。厚さ約2 cmの円に押し広げ、表面へ浅い穴をあけ、重いフライパンで片面ずつ焼く。焼き斑が広がり、縁が乾き、底をたたくと鈍い空洞音がすれば火が通っている。
材料
生地
- 中挽きセモリナ 500 g — デュラム小麦製
- オリーブ油 100 ml — 生地用。香りが強過ぎないもの
- 塩 8 g — 細粒
- ニゲラシード 4 g — 黒い粒。好みで省略可
- ぬるま湯 250〜280 ml — 粒度に合わせて調整
焼成用
- セモリナ 20 g — 成形台とフライパンへの薄い打ち粉
作り方
生地をまとめる
油を均一に含ませる
ボウルでセモリナ500 g、塩、ニゲラを混ぜ、オリーブ油を加える。手ですくって落とし、全体が均一に油を帯びるまで3分ほど合わせる。
水を段階的に加える
ぬるま湯250 mlを数回に分けて加え、押しまとめる。乾いた部分が残る場合だけ残りの水を少量ずつ足す。練り続けない。
休ませる
生地を丸めて覆い、室温で30分休ませる。休ませた後に表面の割れが減っていることを確認する。
成形して焼く
円形に整える
台へセモリナを薄く振り、生地を直径28 cm、厚さ約2 cmの円へ手で押し広げる。縁の亀裂は指で寄せて閉じ、表面へフォークで浅い穴をあける。
一面目を焼く
重い30 cmフライパンを弱めの中火で5分予熱し、セモリナを薄く振って生地を置く。8〜10分、底に広い焼き斑が付き縁が乾くまで焼く。
返して火を通す
平皿を使って慎重に返し、反対面を7〜9分焼く。中心を押して生地が戻り、底をたたくと鈍い空洞音がすれば火を止める。
短く休ませる
清潔な布で軽く包み5分休ませ、布を開いて蒸気を逃がす。8切れに分けて温かいうちに供する。
盛り付け、保存、調整
食卓での役割
豆の煮込み、トマト味のスープ、肉のソースを受けるパンとして温かく供する。朝食ならオリーブ油、バター、蜂蜜、フレッシュチーズを少量添える。表面の焼き斑を残すため、油へ浸したまま置かない。
保存と温め直し
完全に冷めてから布と保存袋で包み、室温2日まで。冷蔵すると硬くなりやすい。冷凍は切り分けて1か月まで。温め直しは霧吹きでごく少量の水を与え、180℃のオーブンで6〜8分。
四つの調整案
①ニゲラを省き、白ごまに替える。②オリーブ油の半量を溶かしバターに替える。③全量の15%を全粒粉へ置換し、水を10〜20 ml増やす。④薄さ1.2 cmに成形する場合は、各面の焼成を2〜3分短くする。
試作で分かった三点
追加の水は休ませる前に判断する。返す時は生地より大きな平皿を使う。焼き上がりを長く密閉すると香ばしい表面が湿る。
必要な器具
重い28〜30 cmフライパン、広い平皿、フォーク、デジタルスケール、清潔な布を使う。薄いフライパンは熱斑が出やすく、焦げと生焼けが同時に起こりやすい。
1食分のおおよその栄養価
- カロリー
- 約 285 kcal
- 炭水化物
- 約 43 g
- たんぱく質
- 約 7 g
- 脂質
- 約 10 g
- 食物繊維
- 約 3 g
- ナトリウム
- 約 490 mg
1食の基準: 1切れ。主なアレルゲン: 小麦。1枚を8等分した概算。焼成中に失われる水分、成形台に残るセモリナ、使用する油の成分で変動する。
重い鉄板と穏やかな火で、粒の香りをパンへ変える。
ケスラは発酵の膨らみではなく、セモリナの粒度、吸水、油脂の入り方で食感が決まる。強くこねず、休ませ、火を急がなければ、外側に焼き斑が付き、内側はほろりと割れてソースを受け止める。