プルーンとスモークベーコンを巻き込む豚ロースのオーブンルラード
この料理でいちばん重要なのは、プルーンを「甘い付け合わせ」にせず、豚肉の内側に薄く連続する芯として収めることにあります。赤身の豚ロースは火を入れすぎると乾きやすい一方、ドライプルーンは加熱で柔らかくなり、甘みと酸味が凝縮します。肉を一枚に開いて巻けば、両者を同じ一切れの中で食べられます。
部位は骨なしのセンターカット豚ロースを使います。肩肉のような脂や筋のばらつきが少なく、厚みをそろえて開きやすいからです。その反面、脂が少ないため外側には薄いスモークベーコンを一層だけ巻きます。ベーコンを厚く重ねるのではなく、表面を保護しながら塩味と燻香を加える役割にとどめます。
中にはプルーンのほか、ディジョンマスタードとにんにくを薄く広げます。果実の甘さを強調するソースは加えず、マスタードの酸味とにんにくの香りで肉とのつながりを作ります。ローストパンの底に低塩ストックを入れるが、肉は液体に浸さずラックの上で焼くため、煮込みではなく乾いたオーブン熱で仕上がります。
巻き方は見た目以上に加熱の均一性に関わります。端から端まで直径が近い円筒にすると、外側が乾く前に中央まで狙った温度へ届きやすいです。たこ糸は等間隔で締め、プルーンが継ぎ目から押し出されない程度に固定します。温度計は果実の層ではなく、最も厚い豚肉部分へ差し込みます。
焼き上がりの基準は色ではありません。豚肉の厚い部分が少なくとも63℃に達したところでオーブンから出し、その後10分休ませます。丸ごとの豚肉に63℃を用いる場合は最低3分の休ませ時間が必要で、この工程ではそれより長く確保しています。休ませることで切ったときの肉汁流出も抑えられます。
完成した一切れは、豚肉、濃い色のプルーン、薄いベーコンが渦状に見え、果実だけが外へこぼれない状態が理想です。クリームソースで覆わず、脂を除いた焼き汁を少量添えると、赤身肉とプルーンの対比がそのまま残ります。