豚肩肉の香ばしい面、形を残すパプリカ、明るいレモンの後味
豚肉とパプリカのティガニアは肉の焼き色を生かし、白ワイン、マスタード、オレガノ、レモンで軽い煮汁にまとめる
3cm角の豚肩肉を少量ずつ焼き、白ワインで鍋底のうま味を溶かす。ふたをして18分煮た後に赤と緑のパプリカを加え、仕上げのレモンで重さを残さない一皿にする。

- 分量
- 6人分
- 準備
- 20分
- 調理
- 40分
- 合計
- 1時間
- 1食分
- 約490 kcal
01 · 味、構造、調理の考え方
豚肉とパプリカのティガニアを安定して仕上げる理由
食感、安全性、再現性に関わる判断だけを、料理の流れに沿って整理する。
ティガニアは一つのフライパンで肉を焼き、ワインや香草で短く煮て仕上げる料理である。この配合では脂と結合組織をほどよく含む豚肩肉を3cm角に切り、赤と緑のパプリカ、玉ねぎを合わせる。長い煮込みではなく、焼き色の香ばしさと野菜の輪郭を残すことが中心になる。
豚肉は塩をしてから必ず表面を乾かす。水分が残ると鍋の温度が下がり、焼き色が付く前に肉汁が流れ出す。30cmの厚手フライパンに一層だけ入れ、2〜3回に分けて焼く。濃い褐色の付着物が鍋底に残れば、白ワインで溶かした時にソースの核になる。
玉ねぎとにんにくを同じ鍋で火入れし、白ワインを注いで底をこそげる。マスタードは辛味だけでなく、油と液体をつなぐ役割も持つ。豚肉を戻して弱火で18分ふたをし、パプリカは最後の8〜10分だけ加える。早く入れ過ぎると色も形も失われる。
仕上げのレモン果汁は火を止めてから入れる。煮立て続けると酸味が鈍くなり、白ワインとオレガノの香りも重く感じられる。豚肉の中心は63°C以上にし、提供前に3分休ませる。最後に3〜5分だけ煮詰め、煮汁が肉へ薄く絡むところで止める。
豚肉の表面を乾かす
水分を拭き取ると短時間で褐色の面ができ、蒸し焼きになるのを防げる。
パプリカは後半に入れる
8〜10分なら柔らかくなりつつ、縁と色が残る。
レモンは火を止めてから
酸味と香りを鮮明に保ち、煮汁を軽く仕上げる。
02 · 計量した材料
6人分分の材料
各材料は表示量のまま工程と構造化データに対応する。
豚肉と野菜
- 900 g豚肩肉(骨なし、3cm角)
- 8 g細粒の海塩
- 2 g黒こしょう
- 45 mlエクストラバージンオリーブオイル(分けて使用)
- 180 g玉ねぎ(薄切り)
- 180 g赤パプリカ(細切り)
- 170 g緑パプリカ(細切り)
- 12 gにんにく(みじん切り)
白ワインの煮汁と仕上げ
- 180 ml辛口白ワイン
- 25 gディジョンタイプのマスタード
- 小さじ2ギリシャ産乾燥オレガノ
- 50 mlレモン果汁
- 10 gイタリアンパセリ(刻む)
03 · 7段階の実行手順
作り方と仕上がりの確認
時間だけでなく、色、温度、粘度、触感を確認しながら進める。
豚肉の水気を拭き、下味を付ける
豚肩肉をペーパーでよく拭き、海塩8gと黒こしょう2gをまぶす。フライパンを温める間、室温で10分置く。
豚肉を少量ずつ焼く
30cmのフライパンにオリーブオイル30mlを中強火で熱す。豚肉を2〜3回に分け、各回6〜8分、焼き面ができてから返す。焼けた分から皿へ移す。
複数の面に濃い焼き色が付き、中心はまだ生の状態。玉ねぎとにんにくを炒める
中火に落とし、残りのオリーブオイルと玉ねぎを入れて5分炒める。にんにくを加えて30秒混ぜ、焦がさずに鍋底のうま味をこそげる。
白ワインで鍋底を溶かす
白ワイン180mlを注ぎ、鍋底をよくこそげる。2分沸かしてからマスタードとオレガノの半量を混ぜる。
豚肉を穏やかに蒸し煮する
豚肉と皿に出た肉汁を戻す。ふたをして弱火にし、途中で一度混ぜながら18分煮る。
二色のパプリカを加える
赤と緑のパプリカを加え、再びふたをして8〜10分煮る。豚肉は柔らかく、パプリカは曲がるが縁が残る状態にする。
豚肉の中心が63°C以上に達し、提供前に3分休ませる。煮汁を詰めて仕上げる
ふたを外して中火にし、3〜5分煮詰めてつやを出す。火を止め、レモン果汁、残りのオレガノ、パセリを混ぜ、3分休ませる。
04 · 温度、時間、状態
重要な確認点と修正方法
時計だけに頼らず、料理固有の仕上がりを判断する。
豚肉の中心温度
63°C以上到達後に3分休ませてから食べる。
ふたをして煮る時間
18分弱火で穏やかに沸かし、途中で一度返す。
パプリカの加熱
8〜10分曲がる程度に柔らかく、縁は崩れない。
| 問題 | 考えられる原因 | 修正方法 |
|---|---|---|
| 肉が白っぽく水っぽい | 肉の表面が湿っている、鍋がぬるい、または詰め込み過ぎ。 | 水気を拭き、少量ずつ焼き、各回で鍋を十分に熱し直す。 |
| 豚肉が硬い | 角切りが小さ過ぎる、焼き過ぎ、または煮詰め過ぎ。 | 3cm角を保ち、柔らかくなったら短時間だけ煮詰める。 |
| 煮汁に苦味がある | にんにくか鍋底の付着物を焦がした。 | 中火へ落とし、黒く焦げた場合は別の鍋へ移す。 |
05 · 調理後の扱い
食べ方、保存、作り置き
料理に合う温度と、現実的な保存・再加熱の方法をまとめる。
食べ方
皮の香ばしいパン、ローストポテト、味の穏やかな穀物を添え、煮汁を受け止める。
保存
完全に冷まして密閉し、冷蔵3日まで。
作り置きと再加熱
豚肉は前日に焼いて煮ておける。少量の水を加えて74°Cまで温め、パプリカとレモンは最後に加える。
06 · 実用的な補足
よくある質問
工程や保存欄だけでは判断しにくい点を短く補う。
豚ヒレで同じように作れる?
同じ18分では乾きやすい。脂の少ない部位を使う場合は煮る時間を短くし、中心温度を見ながら仕上げる。
パプリカを最初から入れない理由は?
長く煮ると甘味は出るが、色と歯触りが失われる。この料理では肉との対比を残す方がまとまりやすい。
07 · 1食分の概算
栄養の目安
全材料、実際に食べる油脂、分量を基にした標準値からの概算。
- エネルギー
- 約490 kcal
- 炭水化物
- 約9 g
- たんぱく質
- 約27 g
- 脂質
- 約36 g
- 食物繊維
- 約2 g
- ナトリウム
- 約670 mg
1食分:1人分(約320g)。主なアレルゲン:マスタード。数値は標準的な成分表を用いた概算で、製品、吸油量、切り分けによって変わる。